姫路市立美術館特別企画展 フランダースの光
19世紀の半ば、風景や農村の情景を主題とし、戸外で制作するという新しい志向を持った画家たちは、都市の喧騒を離れて自然の中へと移り住み、ヨーロッパ各地に芸術家村(コロニー)を生み出しました。
ベルギーでは、ゲント市にほど近いシント・マルテンス・ラーテムと呼ばれるのどかな村に、ゲントをはじめフランダース(ベルギー北部地域)各地の芸術家たちが移り住み、質の高い独自の芸術活動を展開しました。彼らの活動は1900年から30年頃までが最も充実しており、1899年にこの地に移り住んだジョルジュ・ミンヌに始まる第一世代、印象派の影響を受けたエミール・クラウスを代表とする第二世代、第一次世界大戦勃発後にキュビスムや表現主義を通じて人と現実のかかわりを見つめ直したフリッツ・ヴァン・デン・ベルグなどの第三世代に大別されます。
ラーテム村に集った芸術家たちは、他の芸術家村の画家たちに見られるように、何らかの思想を表明しようという強い意志を持っていたというよりも、自然や農民たちとの親密な交わり、また芸術家同士の固い絆を通して、この地に心の平和を見出していました。豊かな自然と共存しながら、フランダースの田園風景やそこに住む人々の姿を独自の視点で描きだす彼らの作品は、何よりもゆったりした時間の流れによって、見る者に心の安らぎを与えてくれます。
本展は油彩を中心に約90点の作品をご紹介いたします。
会期:平成22年7月10日(土)~8月29日(日)
休館日:月曜日(7月19日は開館)、7月20日
開館時間:午前10時~午後5時(入場は午後4時30分まで)
主催:姫路市立美術館、毎日新聞社、財団法人兵庫県学校厚生会
後援:ベルギー大使館、ベルギー・フランダース政府観光局、
ベルギーフランドル交流センター、サンテレビジョン
協賛:大日本印刷
協力:エールフランス航空/KLMオランダ航空