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 【世界文化遺産・姫路城】         このブログは松寿会阪神地区会員の皆さんの情報交換・連絡用です。投稿にはIDとパスワードが必要、管理人までご連絡ください。


by syojyu-hansin

葉室麟「橘花抄」

 この正月に葉室麟作「橘花抄」を読んだ。世の中ITとグローバル化で日本人のものの考え方、価値観はすっかり変わったと言われるが本当にそれで良いのだろうか今一度立ち止まって考えさせてくれる1冊の本だ。このところの風潮に見られるとおり全世界的にも自分の利益に奔走し人の心の痛みを顧みない国々とその国民ー特に中華価思想を輸出している国の人たちーにも是非読んでいただきたいものだ。そんな機会を持って貰う為にこの本をご紹介します。

 葉室麟「橘花抄」_f0222687_11183167.jpg黒田騒動後の福岡藩で 権力争いに奔走し巻き込まれる男たちの
影で翻弄される女たちを実在の人物を織り込みながら描く。

 香道の名前だけを聞いたことがある程度の私にその奥の深さを教えてく
れる。当時の武士、女性の価値観、考え方、文化、社会のからみを
巧妙な筆致で表現。特に精神的に奥が深そうな描写が良かった。

 主人公の卯乃が目が不自由と言うこともあり、匂いが話を展開する
上で重要なポイントとなる。

 時には心落ち着かせ、時には危難を察知する。
女性陣は愛情豊かで凜としていてるし、卯乃を取り巻く男性も強さ
と優しさを兼ね備え好感が持てる。

 茶道や和歌、花などを基にした描写も良いし、逆境に立ち向かう
台詞もお互いを思いやる絆も心地良い。

 権力闘争など色々な要素を盛り込んでいますが、ドロドロしたとこ
ろは無くスッキリとして読後感も良いです。

 新潮社 1890円

                     by管理人
by syojyu-hansin | 2011-01-15 07:18 | 生活・文化・教養