事業戦略見直し、パナソニックどこに向かう 日経新聞
「このままでは(2012年3月期の連結最終損益が)数千億円の赤字になる可能性もある」
10月27日午前、大阪府門真市。司会役の大坪文雄社長の発言に、本社役員会議室に居並ぶ面々は言葉を失った。
「ついに、この時がきたか」。その瞬間、ある役員は強く目をつぶり、ある役員は大きくため息をついた。はっきりした赤字額は示されていない。だが会議に出席した役員であれば、おおよその数字が想像できたはずだ。会議は異例の2時間半の長丁場となった。
■あえて本社で開いた常務会
20人ほどの幹部役員が出席するその会議は「常務会」と呼ばれる。事実上の最高意思決定機関で、重要事項はすべてその会議を通すことになっている。取締役会の数日前に開くのが慣例で、海外や東京で開催することも多い。だが今回の開催場所は門真の本社。4日後に控えた決算取締役会と11年4~9月期の決算発表に向け、幹部間で会社を取り巻く環境の厳しさについて認識を共有し、合意形成を果たす重要な位置づけにあったからだ。
4日後の31日の決算発表。ふたを開けてみると12年3月期の最終赤字見通しは約4200億円に上った。経営の神様、松下幸之助氏が興した会社。「破壊と創造」を掲げた中村邦夫・前社長はどん底にあった業績をV字回復に導いた。そんなパナソニックが再び苦戦する現実。原因はどこにあるのか。
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by日経新聞