真山仁 「黙示」
国内外で広く使われているネオニコチノイド系農薬をミツバチに摂取させると、比較的低濃度でも巣箱の中のミツバチがいなくなり、群れが消える「蜂群崩壊症候群(CCD)」に似た現象が起こるとの実験結果を金沢大の山田敏郎教授らのチームが17日までにまとめた。
山田教授は「ハチが即死しないような濃度でも、農薬を含んだ餌を食べたハチの帰巣本能がだめになり、群れが崩壊すると考えられる」と指摘。養蜂への影響を避けるためネオニコチノイド系農薬の使用削減を求めている。一方農薬メーカーは「科学的根拠が明らかでない」と否定的な見方を示した。
山田教授らは、約1万匹のセイヨウミツバチの群れを使用。ネオニコチノイド系農薬のうち、ジノテフランとクロチアニジンを、糖液と花粉ペーストに加えて投与し、4カ月間、群れの中の成虫と幼虫の数の変化を、写真を使って調べた。